米国市場への上場準備を完了したVNG、IPO計画の行方とは?
2024年6月21日の年次株主総会にて、ベトナムの有名なテクノロジースタートアップであるVNG(証券コード:VNZ)の創業者兼CEOであるレ・ホン・ミン氏は、米国でのIPO計画に関して最新の状況を報告しました。ミン氏は、VNGが「米国市場の追い風」を待っている状態であることを強調し、上場のタイミングを慎重に見極めていると述べました。
2023年のIPO準備とその延期
2023年8月、VNG Limitedは米国証券取引委員会(SEC)にF-1登録申請を行い、Nasdaqのグローバル・セレクト・マーケットで「VNG」として株式上場を目指していました。VNGは、ベトナム初のユニコーン企業として国際市場での注目度が高く、多くの投資家が期待を寄せていました。しかし、市場環境が整わないとの判断から、2023年9月にIPO計画を一時的に延期し、2024年初頭には申請を正式に取り下げることを発表しました。
2024年に向けた今後の見通し
レ・ホン・ミン氏は、年次株主総会でのスピーチの中で、VNGは米国市場での上場に必要な条件をすべて整えた状態にあり、いつでも上場できる「心の準備は万端」としています。しかし、同氏は市場の状況を見極めながら最適なタイミングを待つ意向を示しており、「IPOは成長の通過点に過ぎない」と述べ、真の目標はVNGをベトナム国内のみならずグローバルなテクノロジー企業へと成長させることだと強調しました。
VNGのベトナム国内上場についての見解
また、レ・ホン・ミン氏はVNGの国内市場における上場についても言及しました。同氏は、なぜVNGがHOSE(ホーチミン証券取引所)ではなくUPCoM(未上場公開会社市場)に上場しているのかという疑問に対して、「現状ではUPCoMがVNGの事業運営に適した市場である」と説明しました。将来的に状況が整えば、UPCoMからHOSEへの移行も検討する可能性があると述べています。
まとめ
VNGは米国市場への上場を目指し、IPOに向けた万全の準備を整えていますが、現在は市場の追い風を待つ段階にあります。同社の最終的な目標は、グローバルなテクノロジー企業として成長し続けることであり、IPOはその成長過程のひとつのマイルストーンに過ぎません。今後、VNGがどのようなタイミングで米国市場に参入し、さらにベトナム国内での上場にもどのような展開を見せるのか、投資家にとって注目すべき動向となるでしょう。
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